マコトの徒然日記

日々思うことを綴ります。よく頭おかしいと言われます。

【デジモン】ネタバレ注意!『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』感想

2020年2月21日、公開初日にデジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』観てきました。

デジモンアドベンチャーの完結編と銘打たれた本作、率直な感想としては、「低めのハードルを用意していったら、なんとか跳んでくれた」という感じでした。

triのこともあったので、正直期待は全然していませんでした。その上で観れば面白かったです。

以下、思ったことをとりあえず書きます。

 

〇冒頭、パロットモンとの市街戦

ここはとてもよかったです。個人的に、特殊部隊による戦いみたいな雰囲気がすごく好きなので、チームを組んで通信で連携を取り合い戦う太一たちはとても魅力的でした。また、進化シーンは無印の進化シーンを再現した映像となっており、感動しました。

細かい文句を言うと、過去に勝利実績がありなおかつ数で優っているとはいえ、完全体のパロットモン相手に成熟期で挑む(エンジェウーモンは除く)子どもたちの舐めプっぷりには違和感がありました。その結果、白熱した戦いになり街を壊しすぎだと思います。tri.1章での太一の苦悩はどこへ行ったのでしょうか。

総合的には、大人になり経験も豊富な太一たちによるチーム戦といった感じで、とてもよかったです。スマホデジヴァイスについては、ちょっとぐらい説明がほしかったですが。

 

〇エオスモン戦1

少し飛びます。

チームメンバーが太一・アグモン、ヤマト・ガブモン、光子郎・テントモン、タケル・パタモン、電脳空間での戦いとなります。

ここは、メンバー的にも、作画的にも、完全に『ぼくらのウォーゲーム』で、ムネアツでした。また、BGMもテレビシリーズのものが流れますし、我々ドンピシャ世代へのサービス精神をすごく感じました。

戦いはというと、約300の人命がかかった未知の敵相手の戦いにもかかわらずまたしても成熟期で挑むという舐めプで始まりはしましたが、すぐにオメガモンへと進化します。ヤマトの「出し惜しみはなしだ!」はよくぞ言ってくれたといった感じですね。

肝心のオメガモンの戦闘ですが、すごくよかったです。オメガモン史上もっとも激しく動き回って戦ってくれて、「やはりオメガモンこそが最強デジモンと思わせてくれる戦いぶりでした。

が、残念ながらトラブル発生によりエオスモンを取り逃がしてしまいます。

 

ここからが本作の転、パートナーデジモンとの別れ宣告、新キャラのメノア・井村・エオスモンの謎へと迫っていきます。

 

〇~最終決戦

最後に生き残った太一とヤマトが、パートナーとの別れが早まることを覚悟の上でエオスモンとの戦いに挑みます。

オメガモンとエオスモンの戦いとなりますが、オメガモンの作画が使いまわしのものでした・・・。ほんの少し前にオメガモンの激しい戦闘に心躍っていたのに、同じ映像を見せられて、一気に安っぽく見えました。

 

また、この戦いですが、

「パートナーデジモンと別れるのはつらいから記憶の世界にとどまってずっと子どものままで楽しく生きよう」というメノアとそれに共感した太一・ヤマト以外の世界中の選ばれし子どもたち

vs

「つらいことがあっても前に進むべきだ」という太一・ヤマト

という構図でしたが、正直太一・ヤマト側にあまり正義を感じられませんでした。

今作のメインターゲットは「子ども時代にデジモンをリアルタイムで観ていて、現在大人になっている」という私のような世代だと思います。そんな人たちの多くはメノア側に共感するのではないでしょうか?

「そんなんじゃダメだ!現実を見ろ!」という私たちへのメッセージを含んでいるのかもしれませんが、そうであるとしても太一たちの主張は漠然としていて、確かにいいことは言っているけれども理想だけを述べていて「前に進まなければいけない」と思わせてくれるだけの説得力はなかったように思いました。

 

というわけで最後の戦いは釈然としない感じで終わってしまいました。最後の進化については、もともと「もう好きにやってくれ」と思っていたので、特に賛否はありません。

 

〇その他

・結局、tri.に引き続き、02メンバーの扱いは不遇なままでした。尺的にしょうがないにしても、せめてパイルドラモンぐらいには進化してくれてもよかったんじゃないですか?

・無印メンバーも太一・ヤマト以外の活躍がほぼないのもなんだかなーって感じでした。

・またまたtri.に引き続き、「02最終回へつながる物語」という要素はほぼ放棄されています。子どもたちの将来の選択は何の説明もなく雑に「目指し始めたよ」だけです。なんなら、パートナー解消のまま終了したことによって02最終回(すべての人にパートナーデジモンがいるとかの設定)とのリンクはさらに遠のいたように思います。完結編と言っておきながらあわよくば続編を考えていたりするんでしょうか。

・重要キャラにはちゃんと声優を使ってほしい。俳優・女優としての能力と声優としての能力は別物。セイバーズでの失敗をちゃんと生かしてください。

 

 

などなど、細かいことを言い出せば粗はいろいろありましたが、期待してなかった分、割と満足はしています。

これだけいろいろ不満に思うのも、きっと私が大人になって心の中のデジモンとのパートナー関係が解消されてしまったことを意味しているのでしょう。

 

デジモン世代のお前たちはもういい大人なんだから、過去にしがみつかず現実を見ろ」という、我々世代にとっては非常につらい現実をたたきつけられた映画でした。