ひとにやさしく
先日、地下鉄のホームで電車を待っていたときのことです。
女子大生ぐらいの方が、ホームのベンチにあった空き缶を拾ってゴミ箱へいれました。
その光景を横目で見て、「すごいな」と思いました。
と同時に、その感想に強い違和感を感じました。
もちろん、女性が放置されているゴミを拾ったことは評価されるべきことだと思います。
自分に見返りがあるわけでもないにもかかわらず、他人の心ない行動を正す、
それは思いやりの心を持っていなければできることではありません。
しかし、その小さな思いやり、ほんの一瞬の行動、それを「すごい」と思うということは、逆にいえば、自分はそんな小さな思いやりの心も持っていないということなのか、と感じました。
そして、無意識のうちにそんな自分が普通なのだと認識していたのでしょう。
だからこそ、女性の行動に人並み外れた思いやりの心を感じ「すごい」と思ったのでしょう。
自分の小ささ、社会の冷たさを実感した瞬間でした。
逆にいえば、これほどの温かさを与えてくれる人もいるのだとうれしくも思い、今後の自分の行動を改めようと思いました。
先ほどの女性が一緒にいた女性に褒められていました。
「ポイ捨てのゴミ拾うなんてめちゃ優しいやん!」
心の中でうなずいていたら、女性が返事をしました。
「まあさっきウチが捨て忘れたやつやし」
おまえのゴミやったんかい!!!!!!
いや、まあ、大切なことに気づかせてくれたことには変わりないんですが・・・
なんか釈然としません。